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 倍音とは?

 “倍”の“音”で『倍音』

 歌や楽器を勉強されている方なら、『倍音』という言葉を
見たり聞いたりしたことがあると思います。

 そして、良いものであったり、悪いものであったりと、
様々な解説や紹介がなされています。

 ドラムを叩く時には、あまり歓迎されず、
歌を歌う時は、とても歓迎される。

私は『倍音』をそのように認識していました。

 では、この『倍音』。一体何者なんでしょう? 
名前から察するに、“倍”の“音”で『倍音』なんでしょうね

 だとしたら、一体何の何が倍なのか?


 単純な算数

 度々登場する“音叉”。
もう覚えてしまった方もおられると思いますが、
“音叉”は、《440Hzの“A(ラ)”の音を鳴らす》道具でした。

 『倍音』の正体を明かすと、この《440Hz》を基にして、
2倍、3倍と、どんどん倍にしていきます

それが『倍音』の正体です。

 つまり、440Hz“A”の
2倍である880Hz(オクターブ上の“A”)
3倍の1320Hz(その上の“E”)
4倍の1960Hz(更にオクターブ上の“A”)
この後も、5倍、6倍・・・と続きますが、これら全て『倍音』です。

 そして、基準になる音(この場合は440Hzの“A”の音の事)
を【基音】と呼びます


 そして人間の声には、この『倍音』が自然に含まれているのです。
実はこの『倍音』、声質や音色に深く関係しているのですが、
それはまた、別の機会にご紹介させていただきます。


 “倍音”の仕組み

 大きな縄跳びを想像してみて下さい。
一人が縄の端っこを、もう一人がもう片一方の端を持って縄を回し、
その中に入っていく・・・。

 小学校の頃にやった、という方も多いのではないでしょうか?
では、その縄を上下に揺らしているところを想像してみましょう。

 一見、両端を軸にして、一つの弧を描いているように見えます。
しかし、その縄の動きの中には、
・縄の中心を軸にした、1/2の揺れ。
・縄の2点を軸にした、1/3の揺れ。
・・・というのが含まれているんです




 物理を勉強されている方や、理系の方は
すでにご存知だと思います。

 この、1/2で揺らいでいる部分が、第2倍音。
1/3で揺らいでいる部分が、第3倍音
、という訳です。


 音楽と数学、物理

 ・・・ちょっと難しくなってきました。
高音を歌う時に「倍音を意識して。」などと
言われる事がありますが、実際にはそんな事
気にしていられない、というのが本音です。

 もちろん慣れてくれば、『倍音』というのは
あなたにとって、強力な武器になります

歌がとても上手な方は、この倍音を味方につけている
という場合も少なくありません。

 デビューした歌手が、『超音波を出す、スーパーボーカル!!』
といったキャッチフレーズで取り沙汰される事がありますが、
倍音というのは、理論上無限に含まれます

 『倍音』をしっかり理解された方なら分かると思いますが、
あなたが“440HzのA(ラ)”を歌い、それに2倍、3倍、4倍・・・、
50倍まで倍音が含まれているとしたら?
(理論上は含まれています。ただ、超微小ですが。)

 440Hzの50倍、つまり第50倍音は『22000Hz』ですね。
人間の耳には20000Hz以上の音は聞き取れません
その音の事を“超音波”と呼びます

 『超音波を出す、スーパーボーカル』・・・?
不思議な表現だと気付きましたか?


 とりあえずここでは、
「音楽と数学、物理って密接に関係しているんだな〜。」とか
「倍音ってヤツがこの世の中にはあるんだな。」
という事が分かって頂ければ、それで十分だと思います。

 今後、高音発声の話を進めていく上で
それなりに必要なピースである、という感じです。

 頭の隅に留め、次へ進みましょう。




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