音色の仕組み

やれ『倍音』だの、『共鳴』や『響き』だの、
ややこしくなってきました。
しかし、“音”の正体が分かれば分かるほど、それが気合や根性ではなく、
《声帯の状態》によって大きく左右されている事が、分かってきた事と思います。
気合や根性も大切です。決して軽視している訳ではありません。
が、それだけで成長する程、人体の構造は単純ではないのです。
また、後に『ヘッド・ボイス』や『チェスト・ボイス』についても書きますが、
知れば知るほど、高音域は誰にでも出せる、という事も
分かってくる筈です。
『知る事』と『経験する事』、この2つによって人は成長します。
さあ、“倍音”に関係する部分はここでとりあえず完結です。
最後は“音色”、これに迫ります。
人の声は、混ざっている?!
先に正体を明かしてしまうと、
“音色”の正体は“生じた倍音のバランス”です。
まず、ヒトの声というのは『正弦波』という波で構成されています。
“オシロスコープ”という空気の振動(圧力の変化)を電気信号に変え、
映像で表す装置があるのですが、それを使って『正弦波』を見てみると、

こんな形をしています。
※正弦波について、詳しくはコチラを御覧下さい。
「あ〜、こんな形の波なのか。」程度で十分です。
Wikipedia 【正弦波】
ただ、上に載せたものは、正弦波の単純な形を示すもので、
“音叉”の音がこれに近い形をしています。
人の声は、もっと複雑な形をしているのですが、
以前に『440Hzの音を出すと、880Hz、1320Hz・・・と“倍音”が生じる。』
という事をご紹介しました。
同じ理屈で、ただ「あ〜。」と一音だけ発音したとしても
その音には“倍音”が含まれているので、
正弦波がたくさん重なって複雑な形になるのです。
有効な倍音成分
人の耳で聞こえる音は、大体20Hz〜20000Hzなのですが、
このうち、『“音色”として聞き分けている範囲』は、
大体200〜5000Hz前後というデータがあります。
極端な話をすると、
200Hzの低音域では、400Hz、600Hz・・・と、
“音色”として聞き分けられる倍音が多く含まれるので、
厚みのある、豊かな歌声に聞こえる場合が多いと考えられます。
逆に、1000Hzの高音域では、
“音色”として聞き分けらる倍音が、2000、3000、4000、5000Hzの
4本しかありません。(説明の為とは言え、本当にかなり極端な話ですが・・・。)
すると、なんだか薄っぺらい頼りない声に聞こえてしまいます。
これが『高音域』で声が薄く、弱々しくなる原因であり、
歌の上手い、下手がはっきり表れる理由でもあります
。
男性の曲の場合、音程やリズムに問題がなければ、
低音域での上手い、下手はほとんど分からないと思います。
それにはこういった理由があるんですね。
『響き』の部分でも“倍音”は大切な要素でした。
『音色』に関しても、“倍音”は重要になってきます。
そして、“倍音”をバランス良く含んだ声というのは、
『声帯の状態』がどうなっているかが肝でしたね。
結局、高い声で歌う為に必要なモノは『声帯の状態』。
『響き』や『音色』に必要なモノも『声帯の状態』。
なにはともあれ、『声帯の状態』。
・・・なんだか新興宗教のようですが、
『声帯の状態』と『歌声』というのが、どれほど密接に関係しているか、
お分かりになって頂けたと思います。
もちろん、歌に関するテクニックは『声帯の状態』やコントロールだけに
止まりませんが、『声帯の状態』が歌声の基本を担うのは事実です。
ちょっと暴論になりますが、声帯の状態がしっかりしていれば、
呼吸法なんて上手くできなくても、それなりのレベルまで誰でも上がります。
(・・・暴論ですよ、あくまで。)
しかし逆に考えれば、“声帯のコントロール”と“呼吸のコントロール”
この2つがしっかりと身に付いたらどうなるか?
【発声】は、声帯と呼吸の連携によって起こります。
当たり前ですね。しかし、この当たり前の事を、科学的、論理的な面から
真剣に向き合う人は少数派です。
腹式呼吸や、筋トレ、どこそこに響かせる、といった事にばかり
ウェイトを置くボイストレーニングは、科学的な理論に欠いた典型です。
それも、お腹をどうこう・・・肩はどうこう・・・、の話をしている内は、
なかなか視界が開けません。
横隔膜を下げて息を吸えば、お腹がすこし出て、肋骨が広がり、
背骨がまとまる、といった動きが起こります。
これは人体の構造上そうなるのですが、当然、肩は動きます。
お腹は出ますが、パンパンになるまではで出ません。
空気は肺に入るのであって、お腹には入らないからです。
・・・テーマが逸れてきてしまいました。
しばらくは“声帯の状態”に関するご紹介が続きまが、
“呼吸”に関するご紹介も、また別で詳しくさせて頂きたいと思います。
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