高い声の正体

高くなる条件
さあ、【高い音】の正体は分かりました。
『1秒間に多く振動すれば、音は高くなる!』
これが高さの正体でしたね。
しかし、まだ謎は残っています。
それは・・・「多く振動させるにはどうしたらいいの?」
という部分です。
実はコレ、
理系出身の方や、物理を勉強されている方にとっては
とても簡単な事なんです。
音の高さは、
1.振動する物体の長さ。
2.振動する物体の質量。
3.振動する物体の張力。
この3つで決まります。
つまり、
短いほど速く振動し、
質量が小さいほど速く振動し、
張力が強いほど速く振動します。
これが、《より多く振動させる為の条件》なんです。
ここでとても重要なのが、
『外から加える力は、高さに一切関係しない。』
という物理のルールです。
チューニングしたギターの弦を強く弾こうが、弱く弾こうが、音は一緒です。
ピアノの鍵盤を強く弾こうが、弱く弾こうが、高さは変わりません。
高さは、『長さ』、『質量』、『張力』によって決まるのです。
このサイトで、発声のメカニズムについてはすでにご紹介しています。
声帯の振動が声になる、といった内容ですね。
これに、先程の《より多く振動させる為の条件》を当てはめてみましょう。
すると、声の高さというのは。
1.声帯の振動部分の長さ。
2.声帯の振動部分の質量。
3.声帯の振動部分の張力。
この3つによって決まっているんだな、というのが分かると思います。
そして、同じく先程「ここでとても重要なのが・・・」といってご紹介したように、
【高さ】と【振動する物体に加える力】は無関係だと書きました。
つまり、声帯を振動させる為に、
いくら強く息を出しても、高さとは全く無関係という
事実が明らかになるんですね。
多くの方が、『強く息を吐けば、高い声で歌える。』と考えていますが、
実はコレ、順番が逆です。
『強く息を吐かなければ、高い声が出ない。』というのが真相です。
しかし高さは、『長さ』、『質量』、『張力』で決まるハズでした。
吐く息の強さは無関係でしたね。
この現象は、こういった理由から起こります。
・正しい声帯のコントロールができない為、喉に力を入れる。
※『張力』や正しい『長さ』を使わずに、無理矢理リキんで、声帯付近の筋肉を
無理に縮めたり、引っ張ったりして高音を出そうとする。
・声帯へのリキみが、呼吸器系などのほかの筋肉を緊張させる。
※この結果、息の量をコントロールできなくなり、息の量を減らすと
声帯も緩んで高音が出なくなる、という状態に陥る。
・結果、息を一気に放出しないと、声帯の状態が維持できない。
こういった理由から、多くの方は
「高い声を出すには、息がたくさん必要。」といった認識をしています。
しかし、『張力』や『長さ』を正しく使えば高い声はもっと楽に出ます。
なぜなら、『張力』が強い物体を振動させるのに必要な息の量は、
少ない量で十分であり、逆に強く大きく振動させると音が壊れてしまうからです。
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