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 ヴォイス・ミックスの定義


 まだまだできる事がある

 このヴォイス・ミックスは、しばしば『高い声を出す為の方法。』
と考えられていたり、『ブレイク・ポイント(喚起点)を消滅させる方法。』
といった解釈がなされていますが、これだけではもったいない。

 ヴォイス・ミックスというのは、簡単に言えば
“主に喉頭を中心とする、声帯のコントロールを担う筋肉の全融合”です。

※ 昔、私が確か小学生くらいの時、流行っていたゲームに
『FINAL FANTASY  X』というのがありました。ご存知の方もいるのでは?
この中で、あらゆる職業をマスターすると、通常時に於いてその全職業の
特殊能力が自動的に発揮される『すっぴんマスター』なるものがあったのですが、
これは『ヴォイス・ミックス』のイメージに非常に近いです。
・・・すみません、余談でした。



 チェストからミドル、ミドルからヘッド・・・という風な感じに声を高くしていく過程で、
声が破綻していまう“喚起点(ブレイク・ポイント)”というものがあります。

 この喚起点では多くの場合、声が裏返ってしまうのですが、
それを裏返らないようにスムーズ繋げる。

 つまり、ミドルからヘッドに移行する場合では、
ミドルとヘッドの中間的な、混ぜたような感じの声を体得する事で、
より滑らかに高音に移行する、という考え方があります。

 確かにこれも、ヴォイス・ミックスと言ってもいいでしょう。
しかしこれは、あくまでヴォイス・ミックスの特徴の一つでしかありません。
同時に、これができたからと言って、「ヴォイス・ミックスができるようになった!」
と判断するのは、まだ早い
のです。


 不自然な状態

 筋肉の一部分だけを使うというのは、とても不自然な状態です。

 例えば、“歩く”という動作をする場合、『ふくらはぎの筋肉に集中して、
そこだけを使う。』となってしまうと、非常に変テコな歩き方になってしまいます。
しっかり歩く為には、足全体や腰、上半身の筋肉も必要になってきます。

 そんなの分かってるよ!
という声が聞こえてきそうですが、“歌う”という動作では、これが通じてしまうのです

 高い声を出す時は、この辺の筋肉を使って・・・どこそこを意識して・・・。
という指導がされているのを見た事があります。

 それだけならいいのですが、生徒さんが言われたとおり『意識』すると、
『言われた部分だけを使うように意識してしまう。』というパターンが
少なくありません


 そして最悪のケースは、先生が(独学の場合は自分が)それに気付かない事です。

 どこかの筋肉を作用させると、必ず別の筋肉が影響を受けます。
これは当たり前の事です。

 ある一部分の筋肉だけを使うのは、不自然と言うより
不可能といった方がいいかもしれません。

 ヘッド・ミドル・チェスト・ファルセット・スーパーヘッド・フラジオレット・・・
様々な声があり、これはどこそこの筋肉を使って・・・と指導されている際、
注意しなければならないのは、
『そこをメインに働かせる。』と自分で解釈しなおす事です。

 声を出す為の数ある筋肉は、“喉頭”というエリアに多く集中しており、
互いに密接に関係し合っています。どこかを意識して使えば、
かならず別の筋肉に影響を与えます。

 それら全てをバランス良く使えるようにトレーニングし、
『全ての声区で、全筋肉がバランスよく機能し、
その時に一番必要な筋肉部位に、集中点をスムーズに移行できる。』
という、『全声区の融合』ができて初めて、ヴォイス・ミックスを体得できたと
言えるんですね。

 これが、管理人GOの考える“ヴォイス・ミックス”の定義であり、
体得するのが難しいと言われる理由なのではないでしょうか?


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