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腹式呼吸は必要絶対条件か?


 ここでようやく“歌声”の話になりますが、
先ほどの“地声”をベースにして“歌声”を出すわけです。
音程、音量、リズムの変化を付ける、という事ですね。

 ボイストレーニングというのは、 まず最初に『リラックスして自然に地声を出す』
というトレーニングだと認識してよいと思います


 腹式呼吸は、確かに吸う息の量が増えたり、ブレスコントロールがしやすい、
といった“歌声”に関して必要かつ有効な呼吸法ではあります。

 しかし先ほども申し上げました通り、“声”というのは『声帯に空気が流れる』事で
音が鳴る仕組みになっています


 胸式呼吸であれ、腹式呼吸であれ、空気は空気です。
腹式呼吸で息をしたからといって、空気が歌うための空気に変化する訳ではありません。
やはり空気は空気なんです。

 しかもそのルーツはオペラ歌手やクラシック歌手のように、
“裏声”を使って歌うための呼吸法です。

 “裏声”はたくさんの空気を使って音を響かせなくてはならないので、
胸式呼吸では空気の量が足りない上に、コントロールが困難なんです。

 ところが今のポップシーンの歌はどうでしょうか?そんなに大量の息を必要と
していますか?・・・実はそれ程の空気は必要とされていません。
マイクで音を大きくできるからです

 腹式呼吸でたくさん息を吸って歌う事=マイク乗りのいい芯のある声を出せる。
こういう図式が出来上がっていると思いますが、本当にそうでしょうか?
息の使い方や歌い方をコントロールする=マイク乗りのいい芯のある声を出せる。

・・・こうではありませんか?
「腹式呼吸でないと、歌を歌うときに息が持たない。」という話も聞きますが、
最近のポップシーンでは、2小節に1回くらいの“ブレス(息継ぎ)”が入っています、

 中にはもっと長くのばす曲もありますが、自分で“ブレス”の位置を調整すれば、
大体4〜6秒間、場面によっては5〜9秒間、声を出せればほとんど全ての
ポップソングをカバーできます


 音域に関しても、リラックスした状態で自然な地声が出せれば大体2オクターブの
音域をカバーできているので、
     現代ポップスを歌うために特に必要な呼吸法は無い。
・・・というのが事実です。

 もちろん 腹式呼吸ができれば、ボーカリストとしての幅が広がりますし、
技術として会得しておけば強力な武器になるでしょう。 

 腹式呼吸は、体の気の流れを良くしたり、ダイエット効果が期待されていたりと
人にとってとても重要な呼吸法です
寝ている時や、大声で笑う時も、
人は自然な腹式呼吸をしており、これらの行為は心身の健康に直結しています


 ここで私が言いたい事は、 「歌の上達のためには、何が何でも腹式呼吸が
必要で避けて通れないんだーーー!!!」・・・と、躍起になる必要はナイ

という事なんです。

 その他にできる事はたくさんあります。
歌の技術を上達させるためには、他にも注目すべき点がたくさんあるのです


 ボイストレーニングにおいて重要な目的は、『声のコントロール』なんです。
腹式呼吸などの呼吸法だけをしていればいい訳ではないんですね。





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