ボイトレをするとどうなるのか?

ボイストレーニングの目的は『声をコントロールする』ということでした。
ところが、ボイストレーニングを積んでいくうちに「自分は声をコントロールするぞ!」
という“意識”が生まれていませんか?
これは・・・ちょっとおかしな状態なんです。
試しに、今から普段は無意識にやっている事を意識してやってみましょう。
例えば『歩行』です。
右足、左足・・・と意識して、更に左手、右手・・・、と意識して動かす。
それにプラスして、背筋を伸ばし、アゴを引いて、指先をスッとのばし、
力を抜いて手を振り、姿勢よく歩いてみましょう。
・・・なんだか変な感じがしませんか?
右手と右足が同時に出てしまったり、アゴを引いたら背中が丸まってしまったり・・・。
しかし、
普段から歩行訓練(モデルさんなんかはそうですね。)を積んでいる方は
特に何も変わらないと思います。
これは、普段は無意識でやっている事を“意識して”やった、つまり
「歩く事をコントロール」したがために生まれた結果です。
普段通り無意識で行えば、このような混乱は起こりません。
他にも、手を振る、物を食べる、呼吸をする、といった動作は体の様々な筋肉を
複雑に組み合わせて行っていますが、普段これらは無意識のうちに脳がコントロール
して行っているのです。
では、歌を歌うときはどうでしょうか。
多くの方が、やれ腹式呼吸だと意識して呼吸を変えたり、
自分の声を不自然に変えて出していませんか?
その結果、先程の『歩行をコントロールしてみた』ときと同じような、なんだか
普段と違う感じになってしまっているのではないでしょうか?
歌にも、実に様々な筋肉が関わっています。
声帯の周りの筋肉、アゴ、唇、舌・・・、それらの筋肉が連動して“声”を作っているのです。
それら全ての筋肉をコントロールしようとすれば、当然のようにおかしな事に
なってしまいます。
ボイストレーニングは、この“歌う”
という動作を無意識に、より正確に
行えるようにするトレーニング、と言っても過言ではありません。
一流の歌手は、声を出せば一流の声になっています。
それは声を出すための筋肉を、無意識のうちに脳が精密にコントロール
できているからなんです。
ボイストレーニングを積んでいけば、最初は意識してコントロールしていた事、
もしくは意識してもコントロールできなかった事が、
無意識に・・・自然に、正確にコントロールできるようになります。
そして、それはボイストレーニングの積み重ねで、誰にでもできる事なんです。
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