今日も色々と書きたい事がある。
それにしても日記は思っていたよりも良い。自分の感情や思考が整理されていく。
さて、まずは剣道部に入ったことから書いていこう。
中学から始めた剣道だが、剣道防具に身を包むと心が落ち着いていく。
イヤなことから思考が解放されていく。やっぱり剣道は好きだ。
そして…これは全くの偶然だが、吹奏楽部と練習フロアが同じだった。
なので、たまに翔くんの姿を見かける。
彼も私がいることに気が付いたのか、こちらを見てくれていたので手を振ってみた。
ただ…あの様子だとやはり何もかも忘れ去っているのだろう。ちょっと悲しい。
悲しんでいても仕方がないので、前向きに考えよう。
とにかく話し掛けるのだ。
女子に話し掛けられるのは迷惑かもしれないが、やっぱり思い出してほしい気持ちが強い。
願いを叶える人は皆が有言実行の人だと、最近読んだ本に書いてあった。
そこで昨日の朝、思い切って話し掛けてみた。
彼が一人でいる隙を狙って、背後から話しかけてみた。
私は獲物を狙っている猛獣か…と、自分で自分にツッコみそうになったが、気にしない。
結果、また彼を驚かせてしまったが、クラブ活動のことなどを話すことができた。
しかし…あっという間に会話のキャッチボールは止まってしまった。
次からは、もう少し彼が話しやすい話題を準備してから臨むことにしよう。
その場は何も思い浮かばず、咄嗟に数学を教えて欲しいと言ってしまった。
音楽ができる人は数学も得意だと聞いたことがあるからだ。
またしても彼は非常に驚いていたが、お構いなしだ。
こんなに自分から積極的に男子に話し掛けた事を彩音に話したら、それはそれは驚くだろうな…。
そして、ここからが今日の日記の本題。
お昼休みに図書室で数学を教えてもらえることになった。
図書室へ行くと、すでに彼は待ってくれていて…というか、立って待ってくれていた。
扉の目の前に立ってくれていたので少し驚いたが、探さないで良いように配慮してくれたのかもしれない。
席について、数学の教科書を開いた。
分からない部分があるというのは本当で、やっぱり高校になると勉強のレベルが上がるなと感じていた。
でも彼は、スラスラと理解している様子で、とても分かりやすく丁寧に教えてくれた。
・・・が、しかし、ものすごく声が小さい。
図書室であまり大きな声で話す訳にもいかないのだけれど、それにしても小さい。
何を言っているのか、ほとんど全く聞こえない。
仕方ないので真横にくっついて話を聞いた。
周囲から見ると、図書室で寄り添っているカップルに見えたかもしれないが、気にしない。
彼は教えるのが上手いと思う。それと、ピアノと同じで彼の声を聴いていると心が落ち着く気もする。
その言葉を聞き漏らしたくない気持ちの方が強かった。
充実したお昼休みを過ごせたことを彼に伝えてお礼を言うと、彼は少し照れた様子で謙遜していた。
5年前のあの時と変わっていなくて、なんだか嬉しかった。
さて、とにかく彼に話し掛けるという目標は達成できた。
次は、彼が話しやすい話題を準備した上で、話し掛けるようにしてみよう。
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